はじめての3Dプリンター
2020年03月09日
業務商品開発
2月に導入予定だったメインの3Dプリンターの納期がコロナウイルスの影響により未定となってしました。今年は3Dプリンターの年にしたく早く習得していかなけれればならないので、世界ではメジャー日本ではマイナーのお手頃3Dプリンターを導入しました。それは、チェコ共和国産のORIGINAl PRUSA I3 MK3Sです。
日本だと、組み立てキットが10万円弱、完成品が15万円で購入できます。工場での使用ですし、仕組みを理解するためにも組み立てキットを購入しました。組み立てには13時間程度かかりましたが、説明書が丁寧に書かれているので、すごく難しい所はありませんでした。しかし…
完成したので、キャリブレーションを開始しました。3Dプリンターってこんなものなのかよ…動作は精巧に動いているのに。押出がグチャグチャ…
それでも終了したメッセージはこちら。嫌な予感しかなくハッピーな気分ではないのですが、はじめてなので、こういうもんなのかと思ってしまいます。
ほら、やはり試作の押出しは、部材が張り付かなかったり、センサーに干渉したり、ノズルから波打つように部材が出されたり、そもそも何だこれ!?という感じで、目の前が真っ暗になりました。メーカーの造形例を見ると、こんなはずではない…初期不良なのか…そもそも組み立てに問題があるのか…うまく造形されないので迷宮に入ってしまいました。
日本人ユーザーが少ないので同じ症状の方は、見つけられなかったのですが、メーカーの英語フォーラムで同じようなことで悩んでる方がいました。解決法としては、ノズルや台の洗浄や温度設定が語られており、何十パターンと試したのですが、多少良くなることはあっても、根本は全く解決されませんでした。
組み立て方に問題があるかは、自己診断機能でチェックでき配線や動き等は全く問題ないことは確認できます。だって、ほら、「おめでとうございます!」って言われてるわけでハード的には問題は全くないんでしょ…
そうは言われても、実際に自分の目で見てみて、温度センサー(白い部分)の高さが干渉するのではないかという部分もあり、再度分解しなおして調整したりしたのですが、本体の物理的な問題が全く見つからず診断は正しいと認識しました。もうこれは付属していたフィラメント(部材)が劣化しているに違いないと思っていました。新たなフィラメントを発注し、鉄の塊になる不安を感じながら悶々としながらも色々と試していました…
新しいフィラメントが届く前に全て解決しました!結論としては、診断通り組み立てには全く問題なく、Z軸(高さ)の調整で全てが解決しました!!キャリブレーションの中に確かにZ軸の調整はあるのですが、最大調整幅が2mmなのですが、0.01刻みなので、0.6mm位までしか動かさなかったですし、そもそもどういう状態が正常なのかがわからなかったのです。初期設定から60%の変更、高さを1.2mm縮めたことで解決しました。作り方によってこの値は変わると言っても、ハードの診断がクリアされているので、そこまでズラす必要があるとは思いませんでした。
それだけのことで、こんな複雑なものも造形できるようになりました。それ以外にも多少のノウハウはあるですが、今回、社内の2人で取り組んだもので、もしPrusa I3 MK3Sを購入してうまく造形ができないと悩まれている方がいたら、組み立ての段階からのアドバイスもできますので聞いてくださいね。日本でのおすすめや3Dプリンターランキングでは、あまり知られていない機種ですが、世界では常に上位にある機種で今後の可能性も感じており、長く付き合える3Dプリンターだと個人的に思っています。
導入でつまずいてしまいましたが、色々試行錯誤してノウハウは蓄積できました。今後は自身で製作する造形物でのスライスソフトとの戦いがあるとおもいますが、そうしたことも今後共有できればいいですね。